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競走馬撮影の基礎知識(2) -構図-
構図、つまり、被写体の配置など、どのような絵にするかについて考えていきます。
(1)走っている競走馬を写真のどこに置くか
走っている競走馬の全身を入れた写真を撮る場合、いわゆる日の丸構図、つまり、写真のど真ん中に競走馬を配置することが基本になります。絵の主役を明確にすることができるとともに、もっとも落ち着いた絵にすることができます。簡単だと思われる方も多いと思いますが、走っている(高速で移動している)競走馬全身を、写真の中心に維持しながらシャッターを切り続けることは非常に難しいことなのです。馬の速度に負けないようにという心理が働くのか、馬よりも速くレンズを横に振る傾向があるため、多くの練習が必要となります。
写真の中心にある競走馬にピントを合わせなければならないので、ファインダー内の中央の測距点を選択するのが最適だと思います。通常、中央の測距点は他の測距点よりもピントを合わせるセンサの感度が高いため、ピント合わせもスムーズにいくと思います。
本当は馬の顔にピントを合わせたいところですが、中央の測距点を顔に合わせるのは至難の業ですし、顔が写真の中央になってしまい、上下のバランスが悪くなるので、通常は馬の胸前からゼッケンあたりに合わせるのがよいと思います。レンズの絞り値がF2.8のように開いた状態でも、馬一頭分以上の被写界深度(ピントの合う前後の範囲)はありますので、ゼッケンあたりのピントが合えば、馬の顔も騎手の顔もピントが合うはずです。
(2)その他の構図
左回りの場合、先頭の馬を右半分に、後続の馬を左半分に置きたいとか、馬の上半身だけをアップで撮りたいなど、構図に個性を求める場合もあると思います。この場合、中央に被写体がない場合が多いので、主体となる馬や馬の顔、騎手の顔に近い測距点を選ぶか、測距点を選ばす、カメラとの距離が最も近い被写体にピントを合わせる、測距点自動選択モードを利用すると良いでしょう。
(3)作品の最終形を念頭に置いた撮影
ファインダーの中に目一杯競走馬を入れた写真を好んでいる方が多いですが、作品の最終形をどうするかを考えながら写真に占める馬の大きさを決めるようにした方がいいでしょう。通常のカメラなら縦横比(アスペクト比といいます)は横3:縦2ですが、プリントのLサイズ、2Lサイズのアスペクト比は3:2よりも横が短く、はがきのアスペクト比は3:2、DSC版は4:3、6ッ切は5:4、ワイド6ッ切は3:2、4ッ切は6:5とやはり通常のカメラのアスペクト比と比較して横が短くなる傾向にあります。また、写真をプリントする際、撮影した写真の上下左右1ミリ程度がカットされてしまいます。従って、ファインダーの中で少し小さめに競走馬を写し込むように構図を整えるほうがよいと思います。
(4)トリミングの是非
トリミング(写真の縁を切ったりして写真を整えること)を良くないことと思っている人も多いようです。しかし、上記のように写真をプリントする段階でどんな写真もトリミングされるわけで、その際、もっともよい構図になるように調整するはずです。これを逆手にとって、積極的にトリミングを構図決めに利用してみてはいかがでしょうか。私はトリミングは構図を決める一手段であると認識しています。ちなみに、私の場合、写真をパソコンの壁紙として使用する場合ががほとんどですので、絵の傾きを修正し、真ん中からずれた主役の勝馬を真ん中に来るよう修正し、アスペクト比が5:3、3:2、4:3、5:4となる4種類の写真ができるようトリミングしています。
(5)写真の水平をどう得るか
おまけの話です。風景写真であったら水準器を用いて厳密に水平を得るところですが、競馬写真のような、手持ちで望遠レンズの付いたカメラを振り回す場合、水平を得るのがなかなか難しいのです。競馬の場合、コースに沿って設置されているラチを頼って水平を得がちですが、ラチはコースが坂のせいで上下したりゆがんだりしていますし、遠近法の効果で遠くの方が近くより高く見えるため、水平を得るために頼れるものではありません。ではどうするかというと、水平なものを探すのではなく、ターフビジョンや着順表示板、遠くのマンションなどの垂直部分に対して90度を水平として考えるようにしています。
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